東北震災からの復興に思うこと~いなしの知恵 [時事]
2011年3月11日 東北の震災により、東日本は多大な災害を被ったことは記憶に新しい。
日本人が恐怖と不安に襲われた。
この狭い国土の東半分がその影響をまともに受けた。
堅固な建物、安全の粋を集めた原子力発電所、幾重にも強化された設備、そのことごとくが、強大な自然の前に無力だった。
遠く離れた地にすむ人は、テレビの光景を映画のように見つめるしかなかった。
どれも、信じられない光景だった。
誰も何もできない。
元来、日本という風土は、住むには厳しい環境だと思う。
細長い島国は、海からの影響を避けられない。
春には、黄砂、花粉が舞い散り、そよ風の季節が過ぎても、すぐにジメジメした梅雨が訪れる。
夏は高温多湿になり、気温以上の蒸し暑さを感じる。
秋になれば、台風が訪れ、収穫に影響を与える。
冬はフェーン現象で豪雪に見舞われる。
そして、火山島の日本では、常に地震のリスクがあり、そして津波が追い打ちをかける。
古来、日本人は、極東の島国に渡り、これ以上移住できないこの国で自然との共存を選んだ。
いや選んだというより、ここでの生活を余儀なくされたのだろう。
しかしながら、日本人は、自然を恐れながらも、いなしの知恵をもって、自然と共生してきた。幾たびの災害にも、知恵を出し合い、すこしでも和らげる工夫をしてきた。
日本には数々の神話がある。
その題材の多くは、この自然との共生の仕方を伝える者が多いように思う。
熊本に伝わる民話では、大爆発後の阿蘇山のカルデラにたまった水を、タテイワタツノミコトが、外輪山の一角を蹴破り水を逃がし、人々が田畑を耕せるようになった、いわれている。
各地にそのような神話が残されている のは興味深い。
そして、そうした狭い国土を少しでも住みやすくするために、民話の数々は、そうした狭く厳しい環境の中で人々が、共存する指針となり、潤いとなってきたと思う。
災害をなくすことは、残念ながら不可能だ。
いつかまた訪れる。
それは、神の啓示と結びつける考え方はどうかと思うが、備えは必要だし、覚悟は必要だと思う。
そのとき、どう立ち向かうか、どう助け合うかは、日本人としての心のあり方として持っておきたいと思う。
今度の震災が、日本人が本来持っていた優しさや、自然と共生しようとする『いなしの知恵』として、再び呼び起こされれば、それに優るものはない。
いなしの知恵 http://marguerite-jyun.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
単に、物の復興に終わらすことなく、日本人の心の復興がなされることを切に願う。
政府の取り組みに期待したい。
http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1258/
犠牲になられた方を忍びながら、復興にたずさわれる方のご検討をお祈りします。
追伸 引用させて頂いた方に感謝します。
「日本人の心の復興」、イワタヤイセタンさんのブログに、脈々と流れる底流のように思います。
by 小がめら (2014-02-19 16:17)