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イデオロギーの終焉その2 [時事]

以前、週刊朝日と橋下問題に意味について書いたことがある。それから、3ケ月以上経過した。

その間、衆議院総選挙もあった。
日本の政治の行き先は未だ不透明ながら、1992年以来の失われた20年間に区切りをつける流れのように思う。

今回は、人権問題について少し書きたいと思う。
私が学んだのは30年以上前の法律論に根ざしているので、いささか古い考えになっているかも知れない。
それでも、現代に通じるものがあると思う。

橋下問題についての経過については、すでにWiki にまとめられているので、今更書くことは無いと思う。

週刊朝日による橋下徹特集記事問題

出版社と著者はそれなりに批判を浴びているので、周囲の反応を紹介することにしよう。

参議院議員 有田芳生氏のツイッタ

私は、このつぶやきを、あるブログから知った。
最初に思ったのが、差別問題についての感覚だった。

私が小学校の時、学校の講堂である映画を見せられた。
1本はガメラ対ギャオスだったと思う。
そして2本目は『橋のない川』だった。

映画について、感想文が求められ、部落問題について、優等生的な感想文を書いた記憶がある。

差別が良くないことは、頭の中ではおぼろげながらわかっていたつもりだった。

ある時、親に連れられて、車で空港に行くことになった。
時間が迫っていたので、親は近道を通るといいながら、子供の僕にこう付け加えた。
『決して、窓の外を見るな。そして、声を出してはいけない』

突然のことなので、何が何かわからなかった。聞いても理解できない返事だった。

後で、ゆっくり諭すように、差別部落を通過したことを聞かされた。
小さな僕は怖くなったことを昨日のように覚えている。

それほど、部落問題は現実には厳しい問題なのだ。
そして、口で言うほど平等はやさしいものではない。

口で、権利だ、人権だ、男女平等だ。という人がいる。

私は、そういう人がすぐさま信用できない。

権利は、闘争により得られた結果だということを理解した方がいい。

時として、血なまぐさいことだってある。
先輩たちは、そこを通ってきた。
そのことが尊いと思う。

私は、有田氏のこのツイッターでのコメント、そして、その前後の脈絡を読んで、これまでの先輩たちの積み上げてきたものを反故にする恐ろしさを感じた。

ネットで検索すると多数の反対意見が寄せられている。

今回の橋下報道についての決着は、普通の人なら当然の結果だと思う。

それなのに、出版した週刊朝日、自社内で明確な答えが出せず第三者機関にゆだねた朝日新聞、そして、擁護した国会議員、彼らに共通するのは、イデオロギー以外に理解できない。

イデオロギー論争の最大の欠点は、反目するイデオロギーを認めないことにある。

前回ダニエル・ベルの著書『イデオロギーの終焉』を紹介したが、イデオロギーは、現代でもなお色濃く残り、問題の端々で顔をのぞかす。

それで、現代の複雑な諸問題を解決できるとは思えない。


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