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独眼竜政宗に見る~初陣 [時事]

歴史に学ぶ機会は多い。

時代の変遷による価値観の変化はあるにしても、底流に流れる考え方にさしたる違いは無い。

それを『不変』というには、まだまだ経験が足りないが、それを鏡とすることは出来る。

先般、独眼竜政宗第7回『初陣』を観た。

冒頭、和尚が、若き政宗に諭す。

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『若は、敵を憎んでおるか。

大将たる者、誰も憎んではならぬ。

憎んで出たのでは、阿修羅の働きがせいぜいじゃの。

敵を調伏(ちょうぶく)し、世を救うことは出来ぬ。

憎しみは、必ず我が身に刃を返す。

まあよい、心眼を開いておれば、おいおい分かる。』

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2013年3月1日、1919年に起こった「三・一独立運動」を記念する式典の中で、朴大統領は、

「(日本と韓国の)加害者と被害者という歴史的立場は、千年の歴史が流れても変わることがない」

と述べ、それ以後、各国を歴訪し、日本の歴史認識を糾弾する。

この事に対して、当然日本国内でも反発の声が上がる。

『千年』という時は、古くは平安時代に遡ることになるほどの永い年月だ。

非常に残念なことながら、日韓の消えることのない『憎しみ』を浮かび上がらせることにほかならない。

『歴史認識』ということが、最近よく耳にする。

しかし、歴史は、学ぶべきものであり、将来の礎にすべきものだと思う。

徒に、引き合いに出し、感情の道具にしたり、経済的利益を引き出す材料にすることは、愚かな事だと言わなければならない。

歴史研究は重要だけれども、それは政治家の仕事ではなく、学者の仕事ではないか。

韓国では、沈没事故について、大統領が涙の謝罪会見を行った。

しかし、それにもかかわらず、非難や中傷が入り交じっている。

大統領のやるべきことは、謝罪会見で涙を流し、海洋警察組織を解体し、官僚と民間の癒着をさらすことなのだろうか。

こういうときこそ、人心を掌握し、まとめ上げることが大事では無いかと思う。

目先の選挙にとらわれることがないように祈る。

伊達輝宗は、大河ドラマの中で、

『殿は、あまりにもご家来衆を信じ切られております。』

と切り出し、自らの野心を告げる家来に向かい、手打ちにせず許しこれを重用する。

その光景を、政宗は目の当たりにし、先ほどの和尚の教えを噛みしめることになる。

もちろん、輝宗は、軍紀を乱した者をそれ相応に戒めることを怠らない。

一軍の将とは、そういうものだと思う。

敵か味方かは、その場の状況で相対的に決まることがある。

憎しみの感情は、政(まつりごと)の妨げになる。

それが、判断を狂わせることこそ歴史に学ぶべきだと思う。

追伸

今、日韓関係は、最悪なものとなった感がある。

本屋にいっても、嫌韓本はあふれ、雑誌は書き立てている。

このブログを書き始めた当初までの韓流ブームは、今は昔の感さえある。

出口が見えない今の状況を打開できることを偏に願う。


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小がめら

イワタヤイセタンさん、こんばんは。

「独眼竜政宗」の再放送、第7回「初陣」まで来ましたか。私も早く第4回以降を視たいです。

大河ドラマの中でも名作と言われる作品には、私たち現代に生きる者達が良く考えなければならないことや手本とすべき、言動・発想・行動が随所に見られたと思います。

今回ご貴殿がこの記事で取り上げられた虎哉和尚の教えは、日本人のみならず世界中の人達に耳を傾けてもらいたい考えだと思います。原典や歴史資料ではどういう話だったのか、原作の山岡荘八さんか脚本のジェームス三木さんの創作なのか、私には分かりませんが、伊達政宗が「たぐい希な名君」と後世に語り継がれたことからも、虎哉和尚からこうした教えを受けたという事実があったとしても不思議はないと思います。


ところで、2013年3月1日の朴大統領の発言は、見方によっては千年経っても日本を恨み続けなさいと訴えたとも受け取れるわけですが、そこまでする意図が理解に苦しみます。事大主義に則り中国に阿る行動なのか、それとも支持率の上昇を期待しての大衆迎合的発言なのか。いずれだとしても、それが日韓関係と言うか、韓国にとって良い結果をもたらすとは思えません。

いらずらに国民の憎しみ感情を煽り、仮に何がしかの仕返しができたとしても、虎哉和尚の言う通り刃が返ってくるだけでしょう。

日本で嫌韓本があふれているのと同様に、韓国や中国でも半日を煽る書物が溢れていると、新聞報道で見ました。十分有り得ることでしょう。私も嫌韓本にはどのようなことが書いてあるのか興味があっていくつか取り寄せたものの、まだ読んではいませんが、あくまでこういう本は考え方の一助にとどめるべきものと心得ます。

中学校や高等学校の授業で近代史をまともに学ぶ機会が事実上なかった世代には、ある程度こうした情報も必要かとは思います。しかし日本人の多くは、それらの論調に飛びついていたずらに反韓感情を高めたり過剰に反応するなどの短慮がないと信じ、またそうならないよう願う次第です。


それではまた。

by 小がめら (2014-06-01 15:41) 

イワタヤイセタン

小がめらさん

こんにちは。

『独眼竜政宗』は、やはり見応えがあります。
出来るだけストーリーには触れないようにして行きたいと思います。

ドラマである以上脚色はあるのでしょうが、『歴史を学ぶ』のではなく、『歴史に学ぶ』ようにしたいと思います。

このブログの目指すところは、『日本人の大事にしてきた良き心を表現』することにあります。

その際の拠り所は、『声の手紙』にある、『変わらない』ということです。

『独眼竜政宗』にも、そうした価値観は、多く含まれていると信じています。

そして、このドラマは、末長く語り継がれるに足るものだと思います。


韓国での問題については、正直、和尚の説くごとく、『憎しみ』の感情をコントロールできなければ、好転は難しいと思います。

そして、小がめらさんの言われるように、韓国の歴史を考える上で、事大主義は、キーワードだと思います。

確か、故朴正煕氏は、自著『韓民族の進むべき道』で、朝鮮史における事大主義と属国性を自覚した上で、韓国人の「自律精神の欠如」「民族愛の欠如」「開拓精神の欠如」「退廃した国民道徳」を批判しており、娘の朴大統領も当然認識していると思います。

しかし、腐敗しているかのような官僚制度が、国民感情の矛先を反日に向けている以上、多くを望めないのではないかというのが、率直なところです。

北朝鮮の最近の動向をみていると、安定した阿倍政権への接近、混迷した韓国への姿勢の違いは、如実に現れてきてるように思います。

大事なのは、今の韓国情勢に巻き込まれることなく、前に歩を進めることではないでしょうか。

嫌韓本の件は、確かにお互い様の感があります。

世相だと思い、距離を置いて、眺めておく程度に留めておくのがいいということでしょうか。

中学、高校の授業では、現代史は疎かでした。

特に、東洋史は飛ばし読みだったような気がします。

うちの子に至っては、歴史は受験のための中途半端な暗記科目でしかないようです。

これでは、歴史認識とか言われても、返す言葉がなくなるのではないかと思います。
そういう意味では、書店の本の束は、一定の役割はあるのかも知れません。

しかし、多くの情報から事実は見極めなければならないにしても、『憎しみ』の感情は、将来の妨げになることを、和尚の教訓から肝に銘じなければならないのでしょう。


『変わらないことは美しい』
淳子さんは、『声の手紙』でそう語っています。

それは、日本人の本来の価値観だとこの歳になって思います。

淳子さんが、バッシングにも無言で耐えながら守ってきたものがあるとしたら、そうしたことではないかと思う次第です。

日本人らしさを失わないでいたいものです。

それでは。
by イワタヤイセタン (2014-06-01 21:48) 

小がめら

イワタヤイセタンさん、こんにちは。

「独眼竜政宗」見応えありますか。ご貴殿がそうおっしゃるのであればなおのこと楽しみです。ただ、もし私に…であればお気遣いはご無用に願います。ストーリーに触れても構いませんので、今後とも率直なお考えを披露いただければ幸いです。

過去に一度見ているドラマで史実にも基づいていますし、1996年に発表された津本陽さんの小説「独眼竜政宗」も読んでいますので、話の展開自体はほぼわかっています。先にご貴殿の記事も拝見できれば、それなりの視点でドラマを堪能させていただきます。


「歴史を学ぶ」ではなく「歴史に学ぶ」、私も歴史を勉強する意義はそこにあると思います。私は世の中には「適応していかなければならない変化」と、「変わらない方が美しいこと」があるのだと思います。

淳子さんが「声の手紙」で仰っていた点を拠りどころとする「日本人の大事にしてきた良き心」は、私も「変わらない方が美しい」点だと思います。20年間バッシングに無言で耐えてきた点は同じであると、私も昨今思うに至りました。それは日本人として失わないでいたいものです。


故朴正煕氏は親日家であったと聞いておりますが、同氏もそういう点を評価されていたのだと推察しております。その一方で、同氏は韓国については事大主義を含め、変わらなければならない点を挙げて訴えたのでしょう。でも側近の情報長官に暗殺されてしまいました。娘の朴大統領にもそうした見えぜざる力が働いているのだとしたらそれはそれで嘆かわしい事ですね。

仰るように、日本(人)が現在の韓国情勢に巻き込まれずに歩を進めることが重要だという点も同感です。そのためには、我々やその下の世代には、歴史認識批判にまともな意見が言える程度には現代史を学んで欲しいものです。私はそういうことを学んだからと言って、それで直ちに韓国を憎むほど、日本の教育制度は悪くないと思っています。


それではまた。

by 小がめら (2014-06-02 14:07) 

イワタヤイセタン

小がめら さん

こんにちは。

『変わらない方が美しい』ことは、あると思います。このブログ『失われた20年』という言い方をしているのも、そうしたところです。

1979年10月、親日家の故朴正熙氏の暗殺は、今思えば、時代の変わり目だったのでしょうね。

そういう形でしか、政権交代ができなかったところが、今に尾を引いているのかもしれません。

娘の朴大統領は、トラウマかあるとしたら、手遅れになる前に早く脱して欲しいものです。

日本の教育は、全体的に穏やかで、サラリーマン化しているきらいがあるかもしれませんが、先生一人一人がもう少し踏み込んだ教育をしてもいいような気はします。

眠くなりましたので、それでは。
by イワタヤイセタン (2014-06-03 01:14) 

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