青いリボン〜声を限りに [時事]
新潟の駅前や街頭で、声を限りに訴えかけられてから、その輪が少しづつ広がった。
しかしながら、時の進み方に比べ成果は少なく、理不尽さは多くの国民が共有したのではないだろうか。
十年以上になるが、小泉首相の時に、拉致問題解決に向け風穴が開けられ、5人が帰国されたものの、それでも完全な解決には至らなかった。
その後、北朝鮮の核開発や朝鮮情勢が話題になるたびに、横田さん夫妻を始め、関係者の声が紹介され、それを声高に記事にされていく日々が続いてきた。 中には、特定の意図を持って、拉致被害者の方々に接してきた人もいる。
そうした諸々が、情報を混乱させてきたことは否めず、横田さんの悲しみを癒したか非常に疑わしいものも多かったように思う。
しかしながら、こうしたあざ笑うような膠着状態に、光がさしてきたのではないか。
先般、ストックホルムでの日朝交渉の結果、拉致問題は再調査されることが決定された。
もちろん、それが交渉の成果である限り、日本も譲歩が必要だった。
そして、アメリカを始め、韓国などの周辺国の外交的理解なしには、この交渉は成り立たないことは、先のオバマ大統領日本訪問での横田夫妻との面会で、伺い知ることはできる。
そうした多難を越えた成果であることに思いを馳せる。
『一人の生命は、全地球より重い』とは、法を学ぶ人に限らず、多くの心の拠り所となることが多い。
拉致事件への取り組みは、そうした日本人の心の有り様を映しだすものだと信じる。
横田さんたち拉致被害者や、関係者の方々、それを支援される方々の胸にはブルーリボンバッチが掲げられている。
バッチが外される日を静かに待ちたいと思う。
その日、日本海の青い海は、波静かであることを祈るばかりだ。
追伸 拉致問題の記憶は、2012年9月3日、『恥ずかしい思い出』として、ブログに書き留めた。
ブルーリボンとともに、記憶が書き加えられることを静かに願う。
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